嫁がドラクエのフレンドと電話をしながらいっしょにゲームをしていた。
その事実自体にはそれほど驚きはなかった。
課長との話である意味、ある種の覚悟ができていたからなのかもしれない。
最悪のケースを想定していただけに、相手が誰なのかわからなかった分、衝撃度は低かったのかもしれない。

 

■これまでのお話
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とあるオーガの手記その2
とあるオーガの手記その3
とあるオーガの手記その4
とあるオーガの手記その5
とあるオーガの手記その6
とあるオーガの手記その7
とあるオーガの手記その8

 

 

それでも俺としては電話の相手が誰なのか気になる。
気になって気になって仕方がない。

 

そこで俺はやってはいけない事だと思いつつ、携帯を盗み見る事にした。
嫁が携帯から長時間はなれるタイミングを狙って携帯を見るんだ。

 

しかし今までは気にも留めていなかったのだが、携帯を盗み見ようとして気づいた。
嫁は携帯を肌身離さず持っている・・・。
風呂に入る時ですら洗面所まで携帯を持っていっていた。

 

 

これでは盗み見る事などできない。
いや、そもそもなぜ洗面所にまで携帯を持っていく？
そんな事する必要あるか？
必要があるとすれば俺に携帯を見られたくない。
何かやましい事があるから携帯を肌身離さず持っているのでは？

そんな疑念が俺の中でわいてきた。

 

 

ああ・・・悪循環だ。
嫁を疑っている自分への自己嫌悪と早く真実を知ってスッキリしたい気持ちが織り交ざって頭の中がパンクしそうだ。
ただでさえ仕事が忙しくてストレスがやばいのに、このままでは精神的に参ってしまいそうだ。

とにかく早いとこさっきの電話の相手を突き止めたい。
唯一残されたチャンスは嫁が寝たあとに携帯を盗み見る事ぐらいか。
そこで俺は一旦コンビニに行き、眠眠打破を購入してその場でグイッとやった。
日常的な激務によって体の疲労感がやばいのでベッドに入った瞬間に寝てしまいそうだった。
眠眠打破を飲んでおけば寝たふり状態を維持できるだろう。
しかしそれででももしかしたら寝てしまうかも？と思ったのでおかわりでユンケルも購入してその場でグイッとやっておいた。
これで完璧だろう。

 

そして家に帰ると嫁はまたドラクエをやっていた。
もう24時なのに。
嫁がドラクエをやっている姿を見るだけでイライラしてくる。
何なんだよドラクエばっかりしやがって！と文句を言いたくなる自分を抑える。
ユンケルをおかわりしたせいなのか体の奥がカーッと熱い。
感情も同時に噴出してきそうだ。

そして25時ぐらいになってやっと嫁が寝ると言い出した。
2人でベッドに入る。
携帯は枕元においている。

よし、あとは寝たふりをしながら嫁が寝るのを耐え忍ぶだけだ。

・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・

もういいだろうか？

今何時だろうか？

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

そんな事を繰り返し何度か考えていたがそろそろもう3時ぐらいなんじゃないか？
いい加減嫁も寝ているだろう。
そろそろいいだろう。

俺はそう思ってとりあえず自分の携帯で時刻を確認する。

1時25分だった。

全然時間がたっていないのに驚いた。
そうはいっても動いてしまったので仮に嫁が起きていたとしたら俺が起きているのももうバレている。
とりあえず嫁に声をかけてみる。

「おーい、起きてる？」

 

 

・・・・返事はない。
どうやら寝ているようだ。

良かった。
早速嫁の携帯をチェックする。
ロックかかってやがる！
なんやねん！
ふざけんな！
チェックできねーやんけ！

ユンケルの影響もあってか、俺の感情は高ぶりまくって結局外が明るくなるまで俺は寝られなかった。
その間ずっと嫁が浮気していたらどうしようという事を悶々と考えていた。

離婚なのか？
慰謝料とか俺が払うのか？
財産分与とかどうなるんだ？
ていうかこのマンション俺が出て行かないといけないのか？
子供作りたかったなぁ・・・
いい家庭になると思ったのになぁ・・・

何だかそんな不幸な未来がどんどんと頭の中で沸いてきて本当に泣きたくなってきた。

 

 

いや！
違う！
そもそも嫁が浮気してるかどうかなんてわからないし、そんなアホな事あるわけないだろ？
そうだ。
そうに決まってる。
電話していた相手もきっと女の子のフレンドでチャットを打つのがめんどくさいから電話しながらプレイしているだけなんだろ。
そうだそうだ。

結局その日は一睡もできないまま出社する事となった。
それから俺はしばらくの間眠れない日々を過ごす事となった・・・。

 

 

そうして2週間ぐらいが経った頃だったろうか。
嫁がもはや毎回恒例になっている有給の話をしだした。

嫁「ねー今度またドラクエのアップデートがあるからその日有給使って会社休むね」
そういう事はいい加減やめろと言いそうになったが、すぐ俺は考え直した。
ここで泳がせればまた電話をして何かしらの情報が得られるんじゃないか？

 

この2週間、俺の精神は限界に近かった。
嫁は全く気づいていないだろうが俺の体重は5キロ近くダウンしていた。
早く真実を突き止めて楽になりたい。
そうしないとまともに仕事をこなす事もできないし、生活できなくなってしまいそうだ。
俺は嫁に「いいよ」とだけ返事をした。

 

バージョンアップは9月26日らしい。
バージョンアップ当日はお祭り騒ぎみたいなもんだろうから相方というのがいるなら盛り上がって絶対電話をするはずだ。
会話の内容を完璧に把握するため、俺はアマゾンで盗聴器を購入した。

 

やりすぎな気も少しするが、もうまじで俺は限界。
ここまでやって白黒つけないと駄目だ。

 

そして9月26日がやってきた。

 

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Flooded With Business 管理人より一言

9月26日といえばVer1.5中期ですね。
あの頃は本当にゴミVUばっかりでやる事もなくて、いよいよドラクエ終わりやな・・・なんて思っていたものです。
それを考えると今のドラクエ10は素晴らしいですね。
経済がインフレしているという側面はあるけれどもあの頃の停滞しまくっていた経済事情よりは全然健全だと思うし、コンテンツも豊富に揃っている。
ツメツメオンラインでもないから色んな武器で活躍できる。
藤澤のバージョンアップの度に今回が最高のバージョンアップですと自信満々に言う、いわゆるボジョレーヌーボー発言にはちょっと笑いました。
あれは絶対狙っていたと思います。

1.5と2.4を比較すると面白いですね。

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