とあるオーガの手記その12
嫁は100%浮気をしている。
その友人の言葉が頭をぐるぐる回った。
結局その日は答えを出す事ができなかった。
■これまでのお話
とあるオーガの手記その1
とあるオーガの手記その2
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とあるオーガの手記その6
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とあるオーガの手記その9
とあるオーガの手記その10
とあるオーガの手記その11
友人「どうするにしろ、とにかく証拠だけはきっちり押さえろ。お前も100%浮気してるって言ってもどこか現実感がないだろ?
実際に浮気をしている事実が明らかになればまた違った考えも浮かんでくるかもしれんし、とにかく証拠を押さえておかないと後々面倒な事になるかもしれん」
確かにそうだ。
もう自分では正常な判断ができそうになかったので証拠をどうやって押さえるかは友人に任せようと思った。
他人任せで自分がないと人には思われそうだが、この時はテンパりすぎていてほんとにどうしようもなかった。
そんな俺のお願いに友人は快くOKをくれた。
友人「お前自由に使える金あるか?」
俺「ああ、うん多少はあるよ」
友人「いくらぐらいになるかわからんけど探偵を雇うべきだと思う」
俺「なるほど・・・、プロに任せたほうがいいって事か」
友人「そうだ。俺の事務所経由でどこか探偵事務所で良さそうなところを紹介できるように段取りするよ明日。俺自身は探偵と付き合いは直接ないから事務所の弁護士連中にいい探偵事務所を知らないか聞いてみる」
俺「お前の事務所って弁護士もいるの?すげえな」
友人「ああ、数は少ないけど弁護士もいるんだよ。まあ離婚案件なんてやった事ある弁護士はいないだろうけど。
・・・ってそんな事はどうでもいいから、お前今日は帰っても普通にしてろよ絶対」
俺「自信ないな・・・」
そうこう会話しているうちに時刻は23時。
お店からもラストオーダーでせかされていたので店を出る事にした。
しかしこの友人は弁理士をしていて物凄く忙しいはずなのに急な俺の連絡にも答えてくれてこうして時間を作ってくれた。
本当に持つべき者は友達だな。
感謝しかない。
友人「じゃあまた明日連絡いれる。頑張れよ」
俺「ありがとなほんと・・・」
俺はちょっと泣きそうだった。
悲しくてではなくて嬉しくてだ。
友人の存在が本当にありがたかった。
電車に乗ろうと中央線のホームへあがる。
もういっその事今ここで線路に飛び込んで死んでしまおうか?
一瞬そんな考えが頭をよぎった。
でもやっぱりすぐやめた。
まだ可能性は低いが嫁が浮気していないかもしれない。
何かするには真実を知ってからでいい。
帰宅すると嫁はやっぱりドラクエをプレイしていた。
なるべく平静を装おうと努力はしたつもりだが、喋るたびに噛みまくった。
しかし不幸中の幸いか?嫁はゲームに夢中で俺との会話は上の空の様子だった。
翌日、朝目覚めると物凄くいやな気分だった。
全然テスト勉強をしないまま明け方までゲームをしてしまい、2時間ぐらい寝て起きたテスト当日のような気分だ。
レベルは全然違うけど気分的にはそれに近い。
仕事を全くする気になれなかったが出社をする。
昨日有給を使ったせいで鬼のようにタスクがたまっており、片付けなければならないのだがどうにも手につかない。
そんなとき、直属の上司から声をかけられる。
上司「○○、お前どうした?ちょっとこい」
会議室に呼び出された。
上司「お前最近様子がおかしい。何かあっただろ?話せ」
この上司は仕事が非常に出来る人間で年齢は俺と3個しか変わらないのにもう課長である。
仕事ができるだけあって視野も広く、勘も鋭い。
俺は事情を話すべきか悩んだが、この上司の前で変なごまかしをするのは逆効果だと思い、これまでのいきさつを正直に話した。
上司「そうか、わかった。そういう事であればその問題を早急に解決するべきだ。お前に割り振る仕事の量は他のメンバーにはわからないように軽減する。
早く帰りたいときは帰ればいいし、有給が必要な時は遠慮なくいえ。俺にできるのはそれぐらいだが、しっかりな」
なんて良い上司なんだ・・・
こんな上司の下で俺は働いていたのか。
昨日の友人の時といい、俺は何でいい人間達に囲まれているんだ。
俺は涙もろいほうではないはずなのだが、この時つい涙をこぼしてしまった。
上司は俺の涙に気づかないふりをして会議室を「先いくわ」といって出ていった。
———
夜8時ごろ、友人から電話がかかってきた。
友人「うちの事務所の弁護士経由で信頼できて料金も普通の探偵事務所紹介できる事になったからなるべく早く時間を作ってくれ。何なら今日これからはどうだ?」
俺「多分大丈夫。上司に確認取ってかけなおす」
上司は二つ返事でもう帰っていいぞと言ってくれた。
そんなわけで俺は探偵事務所に友人と待ち合わせてから向かった。
友人は忙しいだろうにわざわざついてきてくれた。
友人「お前今にも自殺しそうな顔してたしほっとけねーわ」
あたってます・・・。
探偵事務所ではこれまでの経緯などを説明して、段取りを決め、料金的な話もした。
費用面については公開してあんまりいいものじゃなさそうなので伏せておくが、結構痛い料金だった。
あとはもし浮気をしていて離婚となった場合には弁護士をつけたほうがいいとの事だった。
弁護士費用は相手が有責であれば自己負担の必要はないから、金銭的負担にはならないし、探偵の費用も慰謝料で相殺ができると説明された。
探偵は稼動日数で料金が変動するような感じだったので、1番いいのはこの日に浮気をしているだろうと強く考えられる日に絞って、探偵を稼動させるのがいいという事で、
そういう事であればきっと嫁が有給を取ってドラクエをプレイする日がいいだろうと思った。
嫁は次いつ有給を取るのだろうか?
それについてはドラクエを今も現役でプレイしている課長が詳しいだろう。
課長に明日会社で聞いてみよう。
そんなわけで探偵を実際に稼動させる日については後日また連絡しますという事でその日は探偵事務所をあとにした。
そこからは長いようで短いようで、精神がずっとフワフワしている感覚の日々が続いた。
課長からの情報によるとドラクエは定期的にバージョンアップをしていて、そのバージョンアップの日に色々とコンテンツを一気に追加するようだ。
そして次のバージョンアップは恐らく11月上旬ぐらいだろうと言っていた。
10月中はただただ無心で過ごした。
そして10月末の何日だったかは忘れたが、嫁がいつもの台詞をはいた。
嫁「また今度ドラクエのアップデートあるから会社休むねー」
俺「いつなの?」
嫁「11月7日だよー」
俺「わかった」
ついにきたか。
きてしまったか。
翌日俺は早速探偵社に連絡を取り、11月7日に動いてもらうよう依頼をした。
11月7日。
前回のときと同じように俺も有休を取った(もちろん嫁には内緒で)。
そして前回のときと同じように7時半頃にスーツを着て出社をするふりをして家を出た。
ここからは前回とは違うのだが、何と弁理士の友人も休みを取ってくれて、1日俺に付き合ってくれるのだそうだ。
そういうわけで友人の家に行く。
友人は勝どきのタワーマンションに住んでおり、わかりやすい成功者という感じのやつになっていた。
ちなみに独身だ。
弁理士というのはそんなに儲かるんだな・・・。
友人とはそこで中学時代の昔話をした。
あの頃は無邪気だった。
バカだった。
アホな事ばっかりやっていた。
それがまさかあれから10数年たって自分がこんな目に合うなんて・・・
未来ってわかんねえな・・・
そんな風に友人と語りつつ物思いにふけっていると探偵から電話がかかってきた。
探偵「男がマンションに入りました」
俺の人生は転機を迎えようとしていた。
Flooded With Business 管理人より一言
長かったこのシリーズですがようやく終わりを迎えようとしています。
本当は去年の12月中にさくっと全部アップしようと思っていたんですが、リライティングに時間がかかりまくるせいでこんな時期までずれこんでしまいました。
正直、普通に1本記事書くときとあんまり変わらない時間がかかっていますw
このシリーズの筆者であるオーガ君からは最初に全文章が送られてきているのですが、正直読みづらいし、起伏がないし、感情もよくわからないしで、そのままアップしても読者の方々にはまともに読んでもらえないと僕は考えました。
なので内容自体は変えないように配慮しつつ、僕がリライティングをして読みやすくしているんです。
それがまじでめんどい。
でも読者の反響も徐々に大きくなってきているということで、投げやりにアップするという事もできないんで、ここまでちゃんとリライティングして頑張ってきたわけですw
残り2回で全文章がアップし終わりますのでそれにて完結となります。
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キメトルティアハメトルティア
プレゼントのじゅもんみたいですねw
リアであうとかないわー
オプションありすぎてめんどいだけだもん
イケギョがリアルハゲ散らかしてたら夢が壊れるおw
弁理士さん=Masterじゃね?
と妄想してたらコメ欄で打ち砕かれた(^.^)
楽しみにしてます!
おいしい展開には違いないですねw
この話し 何処かの2chで見たことあるなあwww
よくあるパターンでしょうからね。
ちなみにこの弁理士さんとは、ビジネスさんも友人なんですか?
友人というほど仲良くはないけど数回飲んだことありますよ。
俗に言う、ま〜ん(笑)
ですな
この話読んで独身を貫く人がでたらビジさんのせいやで!!
ま〜ん(笑)って考えた人天才ですね。
最初知った時あまりに気に入ってしまって1日中ずっとまーんって言ってました。
みんな、僕といっしょに独身貴族を貫こうぜ!
最後に旦那が許してちゃんちゃん、だけは嫌です、しかし、こういう時に決断引き伸ばす旦那だからこそ浮気されるのかも、世間の嫁は自分がドラクエをずっとできるのは誰が働いて家計を安定させてるかをちゃんと考えよう
この話、ファンが多いのね、びっくり
僕もファンが多いのにはびっくりです。
一部の層にだけうけるニッチコンテンツだと思ってたのにそうでもないようですw
手記クライマックス!!楽しみ!
それはそうとリライトお疲れ様です。
私も人の文章直すことありますが、まずWord様に文章直されるレベルとかはほんと勘弁してほしーですね。
ビジネスさんのような読ませるストーリーに書き直せる人はうらやましいです!カスタマーファースト伝わってきます。すっごい大変ですよねぇ。。。
人の文章を直すというのはやった事がなかったので、こんなに大変なものなのかと痛感しました。
それでもこれだけ読者の方々にご支持いただけたのが励みになってここまでやってこれたので、本当に読者パワーというのは凄いものだなあと感じています。
ビジネッさん焦らしすぎー(^_^;)
そうかな!?ごめんね!
万が一ですけど、ビジネスさんがキャラばれしてドラクエ居づらくなったら私とフレなってくださーい!
一緒に遊びましょ♪
リアル女の子のフレも結構いますよ(○´∀`○)
メディア運営のポリシー上、読者の方とフレンドにはならないようにしているのです。
・・・が、リアル女の子のフレが結構いるという甘い誘惑には勝てない気がしてきました。
有事の際は是非お願いしますw
浮気相手が上司に3000点
あなた、はらたいらさんだったんですか・・
DQⅩのおかげで結びついた者、DQ10のせいで縁が切れる者
不思議なもんですね・・・
大切なのは、DQⅩをどう扱うか、その人間次第といったとこでしょうか
神様っぽい台詞!
そのキャラおいしい。
今後もコメントよろしくお願いします。
早めの続編アップ感謝してます!
めっちゃ面白い!
あと2話楽しみにしてます!
早めにアップできるようにがんばりますー
とあるオーガシリーズも完結を迎えるのですね。
ラストがよくあるやつなのかオチがつくのか楽しみです
いい名前。
魅力的でセクシーだ。
楽しみにしておいてください。
大変面白いですね
さぞ色々な本を熟読してらっしゃるんでしょう
ありがとうございます。
最近は落ち着いて本読んでないなあ・・・
オーガさんシリーズもあと2回かあ 最後が想像つかないなあ・・
実際にあった話だと思うとドキドキすぎて怖いw
続・とあるエルフの手記その1期待しとくね!
いや想像つくだろもうこれw
文章能力0の私から見たら、このような面白くて人を惹きつけれる文章を書けるマスターは才能あるなと毎回思います。
あと2回で終わっちゃうのもなんか寂しい感じもしますが、執筆頑張ってください!
ちょっと違う感じではあるんですが今第2弾的なものができるかもしれず、相手と交渉中であります。
ビジネスさぁん、怒涛のアップ、嬉しいですぅ。
かわいいどくしゃとして、待ってる甲斐がありました。
あと2話という開示、そっか、あとちょっとで結末がわかるのかという嬉しさと
この楽しいネタ、じゃなくて、ノンフィクションも結末が来ちゃうのかというさみしさと。ないまぜです。きゃは!
あーー、楽しみ。
わがまま聞いてもらえるならぁ、あんま焦らさないでね。
そのキャラ大変そうだけどキープしてくださいねw
ないまぜなんていう難しい言葉をそのキャラで使ってるとギャップがあってなかなかいいですなあ。
とうとう探偵キターーー!
臨場感溢れます!
ドキドキがとまらないっっっっ
どきどきのない人生なんて糞ですからね。
どきどきしまくろうぜ!
ビジさんこれけっこうありがちなやつやわ
ありがちですなあw
ビジネスさんのブログ、いつも更新を楽しみにしているので頑張ってくださいね!٩(๑•̀ω•́๑)و
ありがとうございます。
お味噌は好きなので頑張ります。
この記事に出てくるようなお金持ち弁理士はごくごく一握りです〜!
大半の弁理士は同世代のメーカー勤務のサラリーマンと同程度か、それ以下です〜!
あかん、枝葉末節だけどツッコミ入れずにおけない…あ、事務所勤務だと休みは取り易いですよ。
そうなんですか。
弁理士って結構金回りいいイメージあったけど違うんだなあ。
いやでもメーカー勤務のリーマンと同じぐらいなら悪くはないかw
文書が上手くて羨ましいです。
この流れでその名前にちょっと吹いてしまいました。
嫁は死刑にすればいい。人一人の人生変えたんだからな。この上司になら掘られてもいいw
おしりも結構いいもんですよね・・。
何回読んでも面白い。
毎回ワクワクドキドキの展開でわたし的には毎週のジャンプを待ってる感覚でした。
ほんとお疲れ様です。
あと2回頑張ってください!
ジャンプ!
最高の褒め言葉だw
ありがとうございます。