2012年12月。
久しぶりに俺はドラクエ10を課金して、嫁といっしょにアストルティアで冒険してみる事にした。

 

■これまでのお話
とあるオーガの手記その1
とあるオーガの手記その2
とあるオーガの手記その3
とあるオーガの手記その4
とあるオーガの手記その5

 

 

嫁曰く、強ボスというのが実装されていて、倒すとオーブがもらえるんだそうだ。
これがバザーで高く売れて、お金稼ぎに最適だとか。
そういうわけで嫁がフレンドを2人呼び、4人で強ボスを倒しにいく事になった。

 

 

嫁フレンドA「こんにちは、よろしく！」
嫁フレンドB「よろしくー」
俺「よろしくお願いします」
嫁「強ボスどれいこっかー？」

 

 

嫁のフレンドはどちらもウェディ男でフレンドリーな口調のやつらだった。
会話の細かい内容は覚えていないが、最初から2人とも俺に対してタメ口だったのが印象深く記憶に残っている。

嫁フレンドA「俺さん初めてなら蜘蛛がいいんじゃない？」
嫁「そうだねー」
嫁フレンドB「俺さん職業なにできるの？」
俺「戦士のレベルが46です」

 

 

 

ここでチャットが止まる。

 

 

 

おい、何でチャット止まってるんだ？
（嫁は隣の部屋でゲームしているので様子がわからない）
しばらく間があって嫁フレンドがチャットをはじめた。

嫁フレンドB「ごめん、そういえば30分後に出かける予定あったんだ」
嫁フレンドA「あ、そうなの。それだと強ボスはちょっと無理だね」
嫁「そっかーじゃあ今日はやめとこう解散するねー」

 

 

解散。

 

 

え？
何これ？

ドラクエ10をしばらくやっていなかった俺でもすぐに気づいた。
俺が戦士で弱いから、適当な事いって行くのやめさせやがったな！

別にそれならそれで正直に戦士が弱いから行きたくないって言えばいいだろ！
なんなんだ！
糞魚、お前次会ったら三枚におろしてやるわ！

 

 

そんなわけで俺は久々にゲームでぶちぎれてしまった。
隣の部屋にいる嫁のところにいって文句をぶちまける。
（俺は烈火の如く切れている）

俺「なあお前のフレンドのあいつなんなの」
嫁「う、うん」
俺「俺が戦士で弱いからあんな適当な事言ったんだろ！？」
嫁「う、う～ん？」
俺「ほんとは予定なんてねーだろ！俺が弱いから行きたくなくなったんだろ！」
嫁「あー、もしかしたら・・・そうなのかな？」
俺「腹立つゲームだなドラクエ10！糞ゲーだなおい！」
嫁「え、ドラクエ10が糞とかは関係なくない？」
俺「こんなゲームやってるお前も糞だ！」
嫁「はぁ？何言ってんの！？」
俺「大体なんなんだよあの魚どもは！」
嫁「それ全然今関係なくない？」
俺「うるせーもう寝る！」

 

 

そして3分後。
・・・・俺は猛烈に後悔していた。
冷静になって思い返すとかなり理不尽な切れ方だ。
ドラクエ10が糞とか言っちゃってたけど、ドラクエ10が糞なんじゃなくて魚が糞なだけだ・・・。
そうだ・・・
魚まじむかつくぜ・・・

しかしとにかく嫁には悪い事をした。
言い過ぎたと思うし、俺の切れ方はおかしかった。
謝ったほうがいいかな・・・

俺「嫁ちゃーん、さっきはごめん・・・」

謝ると嫁は笑ってすぐに許してくれた。
嫁曰く、
強ボスは相当やりこんでいるプレイヤーの人達しかいない世界なので、ちょっとでもステータスが低かったりへたくそな人がいるのを嫌う層が多いんだそうだ。だからいきなりそんなコンテンツに誘った私も悪かったと、最後には逆に謝られてしまった。

 

 

そんなこんなでせっかく課金したドラクエ10だったが、1回ログインしただけでもうログインはせずに課金が切れて2014年を迎える事となった。
俺としてはドラクエ10には何だかいや～なイメージを抱える事になったので、嫁にもそろそろ止めてほしいというのが正直な気持ちとしてあった。
しかし嫁はここから更にドラクエ10にはまっていった。
それについて象徴的なエピソードがある。

 
ドラクエ10は定期的に大型アップデートをしており、そのアップデートがあった日には色んなコンテンツが追加されるのだそうだ。
嫁はその大型アップデートがある3月に会社を休んでドラクエ10をしてもいいかと俺に聞いてきたのだ。
ゲームのために会社を休むだと！？
そんな馬鹿げた話があるか！

・・・と最初は猛反対したものの、嫁は一度言い出すと意外と強情でこっちの意見をあまり聞いてくれなくなる。
それによくよく考えてみると、俺も好きなゲームの発売日なんかは学校を休んだ事もあった。
まあ有給使って正々堂々と休むなら別に悪い事じゃないんだし良いか・・と思って許可した。

これが大きな間違いで、大型アップデートというのは2ヶ月に1回ペースであるようでそれからの嫁はアップデートの度に会社を休むようになってしまった・・・
2013年の夏ぐらいには俺の目からみて、嫁はもうドラクエ10以外は目に入っていないと言ってもいいぐらいの勢いでのめりこんでいた。

 

 

しかし俺自身、仕事がとにかく忙しい。
嫁は家事などは多少手抜きの部分が見えはするものの、一応全てこなしてくれていたし、何かちょっとした問題があってもまあ仕方ないかで毎回スルーしてしまっていた。
これがよくなかったのかもしれない。

 

 

そんなこんなで2013年の嫁はドラクエ10にどっぷりだった。
そして嫁の行動に更なる異変が起きはじめる。

 

続く

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Flooded With Business 管理人より一言

Ver1.1の頃の強ボス行ってる人達の独特の選民意識を思い出しました。
あれ僕からすると凄く違和感があったのですが、
「強ボス毎日行ってる俺は偉い！」
「強ボスで全然全滅しない俺は偉い！」
「強ボスで僧侶できる俺は偉い！魔法はゴミ！」
みたいなのってなんだったんでしょうねｗ

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