ドラクエ10職業列伝 ~魔法戦士編~後編
魔法戦士。
フォースを自在に操り、博識さを兼ね備えたその姿は美しい。
敵の弱点属性を常に把握し、最適な属性攻撃をパーティメンバーにもたらす。
フォースブレイクからの一斉射撃による圧倒的DPSは他職業を遥かに凌駕。
MP補給とバフだけではなく、属性を自在に操れるようになったその姿は唯一無二の存在である。
——
これが筆者の魔法戦士に対するバージョン2.x時点でのイメージ。
MP奴隷から脱却し、プレイヤー達が実装当初に思い描いていた理想的魔法戦士像がそこにあった。
(前編未読の方はこちらよりどうぞ)
【バージョン2.0】
賢者ホーローの言いつけを守り、約1年間に渡って冒険者達はひたすらキャラクターの強化を重ねた。
そう、レンダーシア本土へ上陸する際までに力をつけておけという命にしたがって。
レンダーシア本土ではかつてのアストルティアの価値観を覆すような、バトルコンテンツ「ピラミッドの秘宝」が待っていた。
ピラミッド6霊廟では恐ろしきボス2匹がプレイヤーを襲い、初週クリアができなかった人も多かったのではないだろうか。
ここで魔法戦士は必須クラスの活躍を見せた。
しかも深層では武器に片手剣を装備する事が許された!!!
武闘家だけでは処理しきれない大量の雑魚を蹴散らすのにギガスラッシュが役立ったのだ!
その裏では旅芸人とバイキ枠で争っていたわけだが、結局バイキルトで一気に攻撃力を2段階上げられてMPパサーも可能な魔法戦士の圧勝。
これはまだまだ当時はまほうのせいすいを使うプレイヤーは少なく、MPが減ったらいちいち宿戻りをするというプレイがスタンダードだったのが大きかった。
(個人的にはアホちゃうか時間の無駄や・・・と思ってました)
鑑定回しをするというプレイスタイルが存在していたのも相まって、MP大量補給が可能な魔法戦士はピラミッドにおいてなくてはならない存在だったと言えるだろう。
ところで皆さんは鑑定回し・・・覚えてますか?
ピラミッド実装当初は秘宝に当たり枠と外れ枠がありました。
そして、クリア後にパーティメンバーの1人だけが棺桶を調べて秘法を入手。
ヤヨイに鑑定をしてもらい、当たり枠ならば他の3人も秘宝を入手。
外れ枠なら秘宝を取らずにそのまま霊廟から脱出。
これを繰り返す事で必ず当たり枠の秘宝を入手できるという裏技みたいなものがありました。
当時の僕もこれに夢中になり、グレン1で鑑定士を募集し、当たりがでるまでひたすら1~6霊廟を回し続けたものです。
(これだけ書くと今はできない素晴らしい裏技に感じますが、当たり枠でもブローチが確定で出るわけではなく飾り装備も出ました。そもそも今は外れ枠自体撤廃されていますw)
この時実装されたコインボス「キングヒドラ」では武闘家とタッグを組む魔法戦士の姿があった。
遂にコインボスにおいても魔法戦士に席ができたのだ。
ついにきた。
真の魔法戦士としての覚醒の時!!!
120スキルでフォース範囲化。
130スキルでフォースブレイクの会得。
どうぐ使いというバイキルト枠を争うであろう新職業の実装に戦々恐々としていた魔法戦士ではあったが、蓋を開けてみれば全く問題なかった。
魔法戦士がほぼ同時に超絶強化されたためだ。
このバージョンではりっきーのバトルバランス調整の大鉈がふるわれたタイミングだったが、魔法戦士は凄まじい優遇っぷりだった。
とにかくフォースブレイクの存在はえげつなく、これまでのアストルティアでは考えられないようなダメージを重ねる事ができた。
一瞬脅威だったどうぐ使いのガジェットも実装直後に弱体化されたので、フォースブレイクは一際輝いていた。
アストルティアの世界で「属性」という概念を強く意識させるようになったのがこのバージョンだったと言えるだろう。
なおこのとき、長年の相棒であった武闘家が没落。
その代わりに相棒となったのが超絶強化されたオノ戦士である。
ただしこの蜜月関係はあまり長くは続かなかった・・・。
【バージョン2.2】
イケイケドンドンの魔法戦士の時代がやってきたかと思いきや、このタイミングで実装されたエンドコンテンツ、ピラミッド第7霊廟のボス「ファラオヘッド」は守備力が半端ではなかった。
しかも3体同時出現ボスである。
そう、魔法戦士は物理アタッカーがいてくれなくてはダメなのだ。
ピラミッド第7霊廟では戦士に席は生まれず、魔法使いが大活躍。
当然魔法戦士も出る幕はなかった・・・。
魔法使いはマホトラも使えるので旧来の役割であるパサー役も全く必要がなかったわけで、完膚なきまでに魔法戦士は席を奪われる結果となったのだ。
途中で実装されたコインボス「グラコス」においても完全に時代は魔法使いのものとなってしまっていた。
「パラ魔魔僧」構成がアストルティアを支配していく事となった。
せっかく真の姿に覚醒した魔法戦士であったが、その実力を発揮できるボスが存在しないという悲しい状況であった。
【バージョン2.3】
このタイミングで久々にとんでもない難易度である二つのエンドコンテンツが実装。
一つ目はピラミッド第8霊廟。
恐ろしき実力、夫婦の悪夢がアストルティア全土を襲った。
こちらは残念ながら引き続き覇権を握っている魔法使いがメインアタッカーとして君臨。
「魔魔僧僧」というチンパン構成が大流行した。
チンパン魔法使いの「早詠みの杖→魔力覚醒→暴走魔方陣→ゴールドシャワー被弾して死亡」をループする流れは今もなお脳裏に焼きついている。
そして二つ目は魔法戦士にとってアストルティアの長い歴史の中で最も輝いたであろう「伝説の三悪魔」。
しかも相棒は武闘家!
「武武電僧」という旧来の構成が採用されつつも、その戦い方は新たな時代の息吹を感じさせるものとなっていた。
開幕からのフォースブレイクで一気にキングヒドラを打ち倒し、冷静なタゲ下がりを駆使してバラモスゾンビを倒す。
最後にバラモスブロスにもフォースブレイクをお見舞いして全員で一気にボコる。
戦略性と爽快感を兼ね備えた素晴らしいボスコンテンツだった。
しかも報酬は攻撃力が上がる忠誠のチョーカー。
アストルティア国民の多くはこれに夢中となって、装備を揃えて通いつめた。
魔法戦士の装備としてだいまどうセットが注目されたのもこのタイミングだった。
できる魔法戦士はフォースブレイクの成功率を少しでも高めるためにだいまどうセットに身を包み、開幕両手杖でフォースブレイクを放っていたものである。
フォースを自在に操る誇り高き魔法戦士の姿が遂にエンドコンテンツで披露された瞬間であった。
【バージョン2.4】
引き続き伝説の三悪魔が大流行していたアストルティア。
続くコインボス「キラーマジンガ」においても魔法使いと席を二分する形ではあったものの、魔法戦士にも席があった。
「武、武、魔戦、僧」構成と「パラ、魔、魔、僧」構成の物理構成・魔法構成2パターンどちらでもさほど安定性・効率性に差異がないという調整がなされていたのだ。
しかし野良でチンパンジープレイヤーとパーティを組んだ場合、物理構成だと地獄絵図になるケースがあったため、「チンパンは魔法使いやってろや!」という声がそこかしこで叫ばれた。
そしてバージョン2.x最後のボスコンテンツであるピラミッド第9霊廟が実装される。
そこでは様々な職業構成が試されたが、最も早く、最も美しく、敵を殲滅した構成は
「武武電僧」
であった。
戦闘中の彼らの姿には、かつての泥臭い姿はなかった。
様々な武器と属性をフル活用し敵をなぎ倒していくパーティメンバーの姿は、アストルティアの華だった。
こうして紆余曲折あったものの、バージョン1から続く伝統構成によってバージョン2は幕を閉じる事となった。
2.4末期には究極呪文である「マダンテ」を会得。
この呪文を戦闘でフィニッシュに使うのが美しき魔法戦士の姿であるとされた。
ほぼ同時期に実装されたパーティ同盟コンテンツ「ダークドレアム」では雑魚戦の最後にマダンテを放つ魔法戦士の姿がよく見られた。
ダークドレアム戦でも各種フォースを操りつつのフォースブレイクやダークネスショットの有効度は非常に高く、なくてはならない存在になっていたと言えるだろう。
【バージョン3.0以降】
バージョン3.0以降、魔法戦士は予想もしなかった苦戦を強いられる事となった。
魔法戦士のアイデンティティを大きく揺るがすような他職業の躍進や、様々な武器の実装があったからだ。
・属性付武器の増加
ボスによって最適な属性武器を用意すれば魔法戦士のフォースはいらなくなった。
・踊り子実装
フォースブレイクよりも倍率は低いが各種属性耐性ダウンが可能なステップを使える踊り子が実装された。
しかも毒が入る敵に対するdpsは魔法戦士がお子ちゃまに感じるほど高い。
・旅芸人たたかいのビート会得
バイシオンしか使えねーじゃん!といっていつも蔑んでいた存在がまさかの範囲バイキルト会得。
・占い師実装
なんとCT無しで範囲バイキルトや耐性ダウンのできる何でも屋みたいなやつが現れた。
—————–
これらに対抗するかのごとく、魔法戦士も強化された。
しかしその内容は”必殺マジックルーレットの範囲化”である。
バージョン2.xの頃の素晴らしい調整が嘘のような、ギャグみたいな強化をされてしまった魔法戦士。
当時リアルタイムでこの強化を知った筆者は、調整している側の人たちの時代が1年半ぐらいズレているとしか思えなかった。
しかも強化は2段階に及び、範囲化された次のバージョンではマジックルーレットの広範囲化がなされた。
(大きく離れていてもMPが回復するようになったw)
この時ばかりは「そういう事じゃねーだろりっきー!!!」という魔法戦士の叫びがアストルティア中で聞こえてきた・・・。
結局バージョン3.0以降のボスコンテンツにおいて席が確かにあったのはドンモグーラと邪神周回のみだった。
(四諸侯でも一部ヘヴィプレイヤーは魔法戦士を愛用していたが)
邪神周回においては今もなお席が用意されているものの、4獄実装に伴い半壊。
あれほど熱心に邪神を回していたプレイヤー達は見る影も無く消え去ってしまった。
■誇りと、愛と、魔法戦士
一時期は魔法戦士を見ない日がないぐらいアストルティアには魔法戦士が沢山いた。
様々なボスコンテンツにおける中間支援職として大活躍した魔法戦士。
しかしいまや強敵にはどうぐ使い、弱いボスには回復役を兼任した旅芸人がそのポジションに居座っている。
あの華麗な魔法戦士はどこへ消えてしまったのか?
もう二度とアストルティアでその姿を見る事はできないのだろうか?
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魔法戦士が出た当時、レベルを上げるのがつまんない職だと思ってたなぁ。
片手剣も弓も火力として弱くフォースは自分にしか使えない上にかけたところでどうってことない。
新装備品(初級魔戦とか新兵とかブラウス)は着回しできないし好きじゃなかったですねえ
モグラでMP500積んでフォースブレイク→マダンテしてたのが最後の輝きだと思います。
>120スキルでフォース範囲化
フォース範囲化…110…。
マスターは、ふりなおしですぐ魔戦に戻ろうと思えば戻れるでしょうけど、私は魔戦とさよならしました。
使う場面全くなくなってので。
悲しいかな魔戦の操れる武器は、全部150以上ですけど。。次のコインボスで復活なるか?
スーパースターもぜひやって頂きたいです。
導入当初から大好きな職業です笑。
そして「おしゃれさ」がモノを言う時代が到来してほしいと切に願ってます^_^
SキラはFBもレボルもほとんど入らないからフォース分魔戦がいい
って言ってる層いたけどレボルはほとんど入るよね
もう終わっちゃったけどFBも入るのかな
Sキラーマシンの耐性低下は▼▼なのでFBはあまり入りませんねー。
どうぐ使いだとガジェとレボルあってdps寄与高めだし、DB入ればスタン成功率も上がるからどうぐ使いがいいと思ってたけど今は違うのかな?
このシリーズ好きです。
栄枯盛衰のあった職業の方が面白いんでしょうね。
僧侶常勝伝説 ~敗北を知りたい~
とかなって難しそう。
そう、あくまでもネタとして楽しめないとダメだから暗黒時代を迎えている職業がベター。
ピラ9で武武魔戦なんてマイナー一部の人しかしてない構成を推してるわりには現状の1等コインボスでバイキ枠魔戦が最適なことには触れないのですね
邪神においても固定でなくとも魔戦は野良周回効率高い方ですし一時の魔戦がいなくては話にならない、○○募集@魔戦の栄華の記憶が強すぎて悲観的になりすぎでは?
ちょっと物理構成が流行っただけですぐ不遇を叫ぶパラや魔みたいなことはしてほしくないです。あくまで16職あるうちの1職なんだから1位3位のコインボスに有効なだけ優遇されてる方ですよ。
ごめんなさい、そもそもこれ書いてる僕本人は職業に対する思い入れがほぼ無いので悲観的っていう感覚が全く理解不能です。
なんか一生懸命でいいなあ。
熱い想いが伝わってくる文章で好きです。
Sキラーマシンは実装当初に終わらせちゃったんで魔法戦士が最適解ってのは初めて聞いたんですが、どの辺が良いのが教えてもらえると嬉しいです!
Ver2の頃、片手剣を持って街を歩いている時や戦ってる時
勇者なんじゃないか?って錯覚になった職でした
バザー統合等でもう街を歩くことも滅多に無くなってしまいましたが
魔法戦士は何か色々絵になる職業でしたよね。
配信ストーリーも悲しいやつで中々良かった。
魔戦はすごい好きで色々なところで使ってましたが、
今では全く使わなくなってスキルもパッシブ止まりです
僕も邪神周回をやめてからは全く使う機会がなくなっちゃいましたね。
魔戦好きなんですけどねぇ
火力がインフレした今、FB入りさえすればもぐらのようになってしまうので
魔戦は当分席はないのかぁと思ってしまいます><
そのへんはボスの調整次第でいかようにもなると思うんですが、今は他の職業を優先してる節を感じますねー
もぐらの時は唯一魔法構成と相性良かったんですね。
その一気に畳み掛ける戦法がジェネラルでも通用してほしいものです。
そういえば夢のタッグでしたね。
でもあれやってて面白くなかった!w
感動しました!無性に魔戦やりたくなりますw
今週のピラはアストルティア伝統構成で攻略してきます(^^)
いけね、スキルなかったわ(΄◉◞౪◟◉`)
スキルふるのめんどくさすぎるぞー^^
脳筋職と違って、支援職は「よく分からないけど難しい事をしてるらしい」と思われ
野良でもフレでも引っ張りダコで楽しかったですね〜
魔法戦士はモグラを運営が想定しないやり方で叩き潰したのが
運営の不興を買ってしまったのが不味かったかなあ。
確かに中間支援職ってよくわからないからやらないっていう層が想像以上に多くいましたねw
全属性耐性持ちには各種フォースが空気気味になっちゃうのがつらいですよね
固有スキル開放で無属性フォース付与できてフューリーなら火属性と無属性の二重とかできたらおもしろいのになとか思っちゃいます
無属性フォースは用意してあげても何ら問題なさそうですよね
どうぐ使いのバイキルト追加もでかいと思いましたよ!
ついでにちからステータスアップとブメ槍の躍進でバッファー兼サブアタッカーの地位も確立しましたしね。
あと待望のエンドコンテンツである常闇の聖戦で
ことごとく全属性耐性持ちばかりなのも没落の一因である気がしますね。
ブーメランとヤリの強化はでかかったですね。
昨今のどうぐ使いの利便性の高さはえげつない。
前編からなつかしく読みました!
後編のピラ8の魔2僧2の早よみー覚醒ー陣ーゴルシャワー死亡のループに笑いましたw!
魔戦はバージョン2では輝いてましたよねー
また輝きを取り戻す日はくるんですかねー…
アストルティア職業周期でいくと1年半~3年のインターバルが必要になると思われますw